EZ-QC™ mRNA Capping Efficiency Assay Kit
- 標準的なポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)を用いて、mRNAのキャッピング効率(キャッピングされたRNA含量パーセント)を定量できます
- HPLCやLC-MS分析に代わるQCに簡便で有用な費用対効果の高いベンチトップ法
製品概要
EZ-QC™ mRNA Capping Efficiency Assay Kitは、合成されたmRNAの定量的なキャッピング効率分析(キャップされたRNA含有率)を提供します。5'-cap構造体は、mRNA合成プロセスの一段階としてCap 0および/またはCap 1構造体を生成するために、in vitro転写 (IVT)RNAに転写反応と一緒に、または転写後に付加することができます。キャップされたRNAのみが細胞内で発現するため、サンプル中のキャップされたRNAの割合を可能な限り高くすることが重要です。EZ-QC™ mRNA Capping Efficiency Assay Kitは分析を簡素化し、HPLCや質量分析などの高価で面倒なキャッピング効率測定法に取って代わり、標準的なポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)法に基づく測定を可能にします。
EZ-QC™ mRNA キャッピング効率アッセイは、RNA混合物の5'-末端にハイブリダイズするキメラRNA:DNA:RNAターゲティングオリゴヌクレオチド(ユーザーにて提供)を利用します。このハイブリダイゼーション複合体は、RNase H切断の基質として機能し、キャップされた5'末端断片とキャップされていない5'末端断片を放出します。この断片はその後PAGEで分離され、ゲルバンド分析によって定量され、サンプル中のキャップされたRNA含量のパーセントを計算することができます。EZ-QC™ mRNA キャッピング効率アッセイでは、Cap 0とCap 1のキャップされたRNAは区別されず、キャップされたRNA(Cap 0 + Cap 1)とキャップされていないRNAのみが区別できます。
Cap 0と Cap 1の含有量を測定するために、CELLSCRIPT™ は EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kitや EZ-QC™ mRNA Poly(A) Tail Length Assay Kitも提供しており、完全な mRNA の特性解析が可能です。
製品性能
ターゲティングオリゴヌクレオチド設計の考慮点
ターゲティングオリゴヌクレオチドは、長さ25-40ヌクレオチドのmRNA 5'-end 断片を遊離するように設計する必要があります (Figure 1)。この遊離断片(+/- キャップヌクレオチド)は、PAGE 分析により分離されます。RNase Hの切断は、ターゲティングオリゴヌクレオチドの5'側DNA塩基の向こう側にあるmRNA鎖で起こります。
Figure 1.mRNAとTargeting Oligonucleotideの図
キャッピングおよび非キャッピング 5'-end 断片の分離
EZ-QC™ mRNA Capping Efficiency Assay Kit を用いて、キャッピングされた mRNA とキャッピングされていないmRNAの混合物をポリアクリルアミドゲル上で分離し分析を行った(Figure 2A)。ターゲティングオリゴヌクレオチドは、mRNAを1箇所で繰り返し切断できるため、サンプルのキャッピングおよび非キャッピングの割合をより確実に測定することができます。混合液中のキャップおよび非キャップ mRNAのパーセンテージは、あらゆるゲルイメージングシステムから簡単な読み出しで計算されます(図 2B)。
Figure 2A.キャップおよび非キャップの5'末端断片はPAGEによって効率的に分離されるため、標準的なラボ装置でキャッピング効率を分析可能です。
Figure 2B.Syngene® G:Box Gel Documentation Systemを用いた上記PAGEゲルのレーン 4、5、6のデンシトメトリーデータ
各混合液に含まれるキャップされたmRNA と非キャップmRNAのパーセンテージは、単純な読み出しを使用して計算されています。