EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kit
製品概要
EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kitは、mRNA作製物中のCap 1対Cap 0の5'-キャップ構造の割合を定量します。5' RNAキャップは、N7メチル化グアニンヌクレオシドが5' - 5'トリリン酸結合を介してRNAに結合したものです。この反応はmRNAキャッピング酵素(ScriptCap™ Capping Enzymeなど)によって触媒され、Cap 0キャップ構造が生成されます。Cap 0キャップは、mRNA 2'-O-メチルトランスフェラーゼ(例えば、ScriptCap™ 2'-O-Methyltransferase)の追加処理によってCap 1キャップに変換することができ、この酵素はRNA転写物の最初の塩基のリボース糖の2'-O-メチル化を触媒します。ほとんどのCap 1 mRNAは、Cap 0 mRNAと比較して細胞内において高レベルで発現しています。これは、Cap 1が細胞内でmRNAを「自己」のRNAとして識別されるのに役立ち、mRNAに対する自然免疫反応を引き起こさないためである1,2。
EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kitの反応では、mRNAの5'- キャップをCyanine5 Hydrazide (Cy5R)で標識します。mRNAの5'-キャップされていない末端は標識されません。標識されたmRNAはRNase混合物で加水分解され、Cy5標識されたCap 1およびCap 0キャップコアが放出されます。ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて分離、蛍光ゲルイメージャーで分析され、サンプル中のCap 1とCap 0の相対量が測定されます。このアッセイは分析を簡素化し、HPLCや質量分析などの面倒で高価なキャッピング効率測定法に取って代わります。
CELLSCRIPT社は、全キャップRNA含有量の測定用に、EZ-QC™ mRNA Capping Efficiency Assay Kit (全キャップ RNA(Cap 0 + Cap 1)と非キャップRNAを区別)と、完全なmRNA特性解析用にEZ-QC™ mRNA Poly(A) Tail Length Assay Kit も提供しています。
References:
- Daffis, S. et al., (2010) Nature 468, 452.
- Devarkar, S.C. et al., (2016) PNAS 113, 596.
製品性能
EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kitは、Cap 0構造をCap 1構造に変換する 2'-O-Methyltransferaseによって触媒されるメチル化イベントの効率を評価します。標識したキャップコアをポリアクリルアミドゲル上で分解し、蛍光ゲルイメージングソフトウェアとキット付属の80/20 Cap 1 Control Mixを用いて定量することができます(Figure 1)。
Figure 1.EZ-QC™ mRNA Cap 1 Efficiency Assay Kitを用いて、Cap 0、Cap 1および Cap 0と Cap 1 mRNAの混合物を評価しました。ゲルイメージングソフトウェアを用いて、各レーン中のCap 0およびCap 1 mRNAの割合を定量しました。
Lane | % Cap 1 | % Cap 0 |
1 | 78.1 | 21.9 |
2 | 79.2 | 20.8 |
3 | 0 | 100 |
4 | 100 | 0 |
5 | 78.8 | 21.2 |