アプリケーションノート
AmpliScribe T7-Flash Transcription Kit
DNAをIn vitro中でRNAに転写するには、テンプレートとなるDNAと、RNA合成酵素が必要となります。RNA合成酵素(ポリメラーゼ)で有名なものはT3,T7,SP6の3つで、それぞれファージ由来のものが用いられています。RNAポリメラーゼはプロモーターを認識してDNAからRNAを合成します。
AmpliScribe T7-Flash Transcription Kitは、In vitroでRNAを高効率で合成できるKitです。下記の試薬、T7由来のポリメラーゼと、DNAテンプレート、それぞれのNTP、バッファーを加えてから30分から数時間、処理することで、DNAからRNAを作製することが可能となっています。
AmpliScribe T7-Flash Transcription Kitの特長は、短時間で高収量のRNAを作製・合成することが可能です。しかも、長い配列や短い配列も合成できます。作製したRNAは、
- RNA interference (RNAi) 研究用長およびdsRNAの合成。
- マイクロアレイ
- RNA機能解析・構造解析
- スプライシング及びプロセッシングの研究
- Ribozyme研究、Anti-Sense RNA
に使用されます。
1.4 kbのテンプレートDNA( 1 μg)を用いた場合、160μg〜180 μgのRNAを30分で転写できます。
また、DNAのテンプレートは0.1μg~3.0μgでインキュベーションの時間を調整することでRNAの合成することができます。
それではRNAを合成するのにどのぐらいの長さまで作製できるのでしょうか。AmpliScribe T7-FlashTranscription Kitを使用してEpicentre社では9kbのRNAの合成した実績があります。また使用していただいた中で11kbという最長のデータもあります。逆に最短で26bpというデータもあります。
もちろん、AmpliScribe T7-Flash Transcription Kitで合成したRNAにCap化、Poly(A)を付加することも可能で、 T7 mScript Standard mRNA Production Systemで紹介したように以下の工程は行うことができます。
- 転写反応によりDNAからRNAを作製する
- 合成したRNAをCap化する
- RNAにPoly(A)を付ける